情熱大陸という番組は、私が仕事をし始める頃ちょうど始まりました。
局のプロデューサーが先輩に企画書を見せにきて、
コレは素敵なドキュメンタリー番組が始まりそうだぞ、と
これから始まる仕事生活を本当に楽しみに思ったものでした。
当時、先輩が「面白いヤツが作った番組」として見せてくれた
一本のビデオがありました。
何の番組かは全く覚えていないのですが、そのオシャレなタイトルワークに
度肝をぬかれました。
対象者が歩いている場面に、赤と白の四角をレイアウトして
その中に文字を入れる。
ベタにマジメという印象のあったドキュメンタリーなのに、
なんてタイトル入れちゃう人なんだと。
CMじゃないんだから。こんなんアリなんだ。と。
それから10年、同じ番組でいまもスターディレクターとして
活躍しているMさん。
Mさんの作るものはいまも相変わらず、ダントツにオシャレです。
今日はビッグスターの中居くんを目の前に、
大きな目でガハハと笑うMさんの姿がチラリとありました。
Mさん、見た目は決して得をしている方ではありません。
はっきり言って怖いです。坊主頭にでっかい目で、
怒ると不動明王の様相を呈してきます。
でもなぜかMさん、取材をした人とは必ず仲良くなるんです。
当代きっての美形俳優や、アバンギャルドな伝説の落語家まで。
今日の番組では、中居くんのインタビューと称して
3時間一緒に焼き肉を食べるシーンがありました。
いくら密着取材だからって、あの忙しい中居くんを3時間も
独占できないですよ。
私たちスタッフは、同じ番組を作ると仕上げ作業では
何をするのも共同生活になります。
毎日一緒にご飯を食べれば、寝るタイミングも一緒。
Mさんの現場は特にそれが顕著です。
ご飯を食べるとなると
偏食は許さん、米粒は残すな。ついでに一杯くらいは付き合えよ。
完全に男子校のラグビー部です。
でも、それがなんだか楽しくなってきちゃうんですよね。
なぜか。
鬼教官のMさんは、どんな下っ端の話も聞き逃さないんです。
それでちゃんと覚えてくれてる。
後輩集めて飲む時だって、
「俺は昔〜」みたいな自慢話の一つでもすりゃいいのに、
ひたすら後輩の近況を聞き、相談しやすい兄貴みたいになってる。
私は2回だけ、Mさんと二人になった時があります。
うち1回は、プライベートで問題を抱えたときでした。
いつもみたいに大声で喋ればいいのに、Mさんはなんだか
当たり障りのないような話をして、あとは中吊り広告なんかを
なんとなーく眺めて黙ってました。
その時、Mさんはいま私の味方でいてくれようとしてるのかなって
思ったんです。
別に世間には敵も味方もあったもんじゃないけど、
対峙する相手の気持ちってわかるものじゃないですか。
Mさんは基本的に、誰といても相手のことを好きでいるんだと思う。
Mさんの番組を見るにつけ、そんなことを思います。
頼りにしてます、鬼軍曹。
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