春です。デコです。
今週からめっきり暖かくなりましたねー。体がポカポカ。頭もホゲホゲしてきたから、やっぱり春なのねと思いきや、たんに風邪をひいたくさい今日この頃。それでは春のデコいってみましょうー。
先月の山海塾公演に続いて、4月の「ダンスものお楽しみ企画」として、この前の日曜日に「ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団」(http://www.pina-bausch.de/)を観に国立劇場にいってきました。
山海塾もはじめて。そしてこのピナ・バウシュもはじめて。舞踏にしろ舞踊にしろダンスの公演はこれで2回目。
で今回の「ピナ・バウシュ」。休憩をはさんで2つの作品が約2時間。その間、僕はずーっと「口あんぐり」。ほんとうに誇張ではなくて、開いた口がふさがらない2時間だったのでした。
最初の作品「カフェ・ミュラー」(http://www.pina-bausch.de/stuecke/Mueller.html)。これは演劇? それともダンス?なのか。舞台上のセットが露になったとたん、僕は「ほえ?」。舞台の奥には回転ドア。舞台を囲むガラスのついたてのような壁。カフェ?の店内にように無造作に置かれた、たくさんのテーブルと椅子。
こんな舞台でダンス?っと思うのもつかの間、一人の白く長いワンピースの女性(ピナ・バウシュ本人)がガラスの壁にまとわりつくようにふらりふらりゆらゆら。と思ったら舞台袖からゆらゆらと別の白く短いワンピースの女性がゾンビのように登場。ここらへん(はじまったばかりなんだけど)から僕の記憶もあいまい。なにがなんだかわからないことがはじまるはじまる。突如、スーツ男が登場すれば、ゾンビの通り道をあけるように、全力でテーブルと椅子を投げ飛ばす投げ飛ばす。ガターン!ドーターン!と思ったら、小走り青ワンピース女が舞台を一直線にテケテケテケテケテケテケ。するといつの間にか白いシャツの男がユラユラユラユラ現われて。その数分後には白シャツ男と白短ワンピ女が抱き合ってる。そこに別のスーツ男登場して抱き合う彼らを違う抱き合い方に変える。するとはじまる「くるくるばったんくるくるばったん」ダンス? 時間がたち、彼らの動きひとつひとつが、登場する男たちと女たちの関係性をあらわにしているのだろうけど、それさえも、観るものの勝手な組み立て方ひとつ、想像でしかないのかも。
はっきりと「異様な世界」に僕はずーっと口あんぐり。
男と女が抱き合ってはじまるこの「くるくるばったん」。尋常ではない勢い。なのに寸分違わないぶれのない繰り返しの見事さに口あんぐり。ヴッパタールのダンサーはクラシックバレエの高いレベルの素地があって、トレーニングもかかさないらしい。ゆえに反復の繰り返しはあたかもビデオテープの巻き戻しのように正確。それが不思議にも僕の中では「異様な美しさ」として繰り替えし目に焼きつく。
でいつの間にか終わりました。うーん。最初から最後まで「理解不能」なのに目が離せない。そんな不思議な世界に包まれた感触は、先月の山海塾でも得た感触。山海塾を「静」とすれば、ピナ・バウシュは「止と動」ともいえるのだけど、どちらも身体の「動き」の異常な緻密さからくる「異様な美しさ」は、僕が今まで目にしてきた、人間の身体の動きの理解を超えていたのでしょう。しかも、ストーリーらしきものまで頭に残ってしまう。ゆえに、なんじゃこりゃで最後まで「口あんぐり」。
休憩と同時にステージ上では観客を前に、舞台スタッフによる次の作品「春の祭典」のしこみがもくもくと始まる。約25分間で、ステージ奥までいっぱいに「土」がしきつめられただけのシンプルなセットが完成。
この「春の祭典」(http://www.pina-bausch.de/stuecke/Sacre.html)。さきの「カフェ・ミューラー」以上に僕は「口あんぐり」。
ストラヴィンスキーの「春の祭典」が響きわたる舞台に女性群が現われる。これがとんでもない速さと正確な「動き」で、次々とフォーマット?を展開。ある時は扇形、ある時は直線一列。その静止と動作のコントラストに目を奪われていると、ダンサーたちは今まで見たことがない身体の「動き」で土を蹴り、飛び、転がり舞う。
この群舞の「動き」と「展開」は「異様な迫力に満ちた美しさ」で怖くなったくらい。さらに、ほぼ同数の男のダンサーたちが加わるからもう大変。めまぐるしくかわる群舞の動き。時には男女で対峙し、時には男女が「正確に」入り乱れて展開される「動き」の数々。もちろん僕は「口あんぐり」状態なのだけど、「トリハダ」プラスのあっという間の約30分間。時間の感覚がしびれていつのまにか終わったしまった。
本当に理解を超えたものを目の前にすると、「口あんぐり」になることをこれでもかと味わった2時間。ただの混沌な勢いだけだったら「美しく」はない。この「異様な美しさ」を成立させるピナ・バウシュの世界。ほんとうに観るだけでぐったり。たぶん、観るもののエネルギーも舞台に引き寄せられて、ダンサーたちと一緒に土を蹴り、飛び、転がり、ドッタンバッタンしてたのかもしれない。
先月の山海塾にしても、ピナ・バウシュにしても、まだまだ世界には、僕が見たこともない「アート(表現)」がたーくさんゴロゴロあって、世界中のいろんな人のいろいろな感情をひっぱりだしてるんだなー。というあたり前のことにいつも気づかされる。
そんなきっかけをいつもたくさん僕にくれるあの人にあらためてお礼の「ありがとう」。
こんどは僕が彼女の口をあんぐりさせる何かをみつけてみたいと思う今日このごろでした。
生きざま更新中! 山口デコ
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