デコです、こんにちは。
友人のS君から気になるインターネットのサービスサイトを教えてもらいました。
ロゴ作成専門のビズアップ
http://www.biz-up.biz/

企業やキャンペーンのロゴマークのグラフィックデザインを、明朗な料金体系と作業工程で請け負うサービスサイトのようです。しかも、同じ業界に身を置くものとしてイチバン驚いたことはその料金体系です。
ウエブ・プロデューサーのS君はこのサービスサイトについて以下のような慧眼をもって分析してくれました。
●一般的にはなじみのないグラフィックデザインの価格体系の不透明さ、複雑な作業工程への理解、完成物に対しての価値基準などを全てシンプルに「可視化」し、一般ユーザーの心理的障壁を下げていること。
●一定レベル以上のフィルタリングされたクリエイターを集団で登録することで、ある程度のデザインクオリテイをあらかじめ確保していること。
●入口をロゴ制作に徹しきっていゆえにサービス内容がユーザーにも分かりやすく、それをきっかけとしてその後のオプション(付随物のデザインや深度あるデザイン物)へ、かなりの確率でユーザーを誘導しているであろうこと。
●入口をロゴ制作に徹しきっているがゆえに分かりやすく、他の専門家たちとのアライアンスも組みやすい。
長年、インターネット業界に身を置いている彼ならではの的確な分析だと思います。
僕がこのサイトを見て、まず感じたことは先にも述べましたが、その驚きの価格体系。ざっと言ってしまえば、私がロゴデザインを承り、お客さまに提出する見積もり額のおよそ1/5〜1/10の価格です。ちなみに1/5〜1/10と見積もり額に開きが生じるのお客様からの依頼内容により必要な労力が変わるからです。
それをこのサイトでは、メインのサービス内容を一律の金額にしています。明確な価格体系を可視化ことで必要なデザイン労力をイメージさせることは、サービスの送り手、受け手ともに大きなメリットがあると思います。
私もお見積もりを提出する際は、各項目の労力内容を詳細にわたりお客様に説明しますし、その裏付けとしてのクリエイティブのクォリティには日々の研鑽とゆるぎない自負が必要なので、このように可視化することはよいと思います。。
一方で、僕がこのサイトで少し不安に感じたこともあります。それは登録しているクリエイターの報酬がどのような体系になっているのかということです。価格と作業工程から推測するしかありませんが、労力対報酬のバランスにおいてクリエイターのモチベーションを保つのにはギリギリ、もしくは足りないのではないかと思います。
仮にディレクターとしての私が協力していただくデザイナーの方々に、このサービスサイトで明確にされている作業工程で発注するのであれば、この価格では発注できません。なぜならば、クリエイターの経済的なモチベーションは完成物のクォリティに連動すると思うからです。
繰り返しになりますが、あくまでも価格から推測する発注費と作業工程のバランスから判断していますので、サービスの表側には見えないインセンティブがあるのかもしれません。
反面、このサービスサイトを見るまで自分でも気がつきませんでしたが、報酬と労力のバランスをこのように考え、お客様にお見積もりを提示してきた私の姿は、まごうことなくお客様の立場に立ったクリエイターとして、お客さまの目に映っていたのだろうかという疑問もアタマをよぎりました。
しかしあえて言いますが、ここ数年で僕が感じているグラフィックデザインの世界が抱えている問題、「デザインのたたき売り」は、このようなサービスが加速度的に進めているのではないかということです。
まず、ロゴマークデザインはCI(コーポレートアイデンティティ)を構成する重要な要素のひとつです。僕は世の中の会社の数だけ、会社の歴史やカルチャーや未来があり、主だったものだけでも市場規模の分析や競合他社の動向など、デザイン作業に入る前の工程でしっかりと労力をかけなければならないクリエイティブワークだと考えています。
ゆえにこのサービスサイトの「オプション」にもありますが、「完璧なロゴマークを希望の〜」の内容が、本来ロゴマークデザインに課せられた工程だと思いますし、ロゴマークデザイン、かくあるべきだと思います。
しかし、このサービスサイトを利用するユーザーの視点は別のところにあるのかもしれません。このサービスサイトの「わたしたちのミッション」にも書いてありますが、しっかりとお客様と対話してこなかったクリエイターの存在はきっと事実なのでしょう。
また「デザインを発注する」ことそのものに躊躇してしまって、これまで自前でグラフィックを表してきた中小規模の企業や団体も数多く存在するのだと思います。
そのユーザーのニーズを的確に拾い上げ、ロゴマークデザインを確信犯的にメインサービスにもってきている点がこのサービスサイトのスゴイことだと思います。
そう言う意味では言葉は悪いですが「デザインのたたき売り」は、ある程度のクォリティのグラフィックデザインを多くのユーザーに提供することで、デザインの敷居を低くし、多くのユーザーに恩恵をもたらしていることは事実だと思います。
ただし「デザイン」の敷居を低くするならば、世の中のあらゆるグラフィックのクォリティを底上げし、多くの人やモノの活発な動きを促すことで、世の中を美しくシアワセにしていく。そんな理念がこのサービスサイトの内外に表されていたら、同じ業界で生きるものとして個人的にはうれしかったと思います。
単に敷居が低くなるだけでは、そこそこにデザインされたものが量産され、世の中のデザインクォリティの底上げには及ばず、ふとしたことで逆行するのではないかと、好き勝手にシンパイするのもたまにはいいでしょう?
PS. S君、いつも貴重な情報をありがとう。
今日も生きざま更新中!
山口デコ
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